オタクの一端に触れる

 

こんにちは。この度は、先日初めてアイドルのコンサートに参加したことから、僕が感じたことを書きます。

 

僕が参加したのは、日韓合同で行われたオーディション番組を経て昨年活動を始めた、「IZ*ONE」というグループのコンサートです。きっかけは2か月弱前に大学の友人から誘われたことでした。名前は知ってるけど誰一人メンバーを知らなかった僕は、1万円のチケットと聞いて戸惑いましたが、友人の熱に押されて行く決意をしました。

 

それから友人に勧められた動画を見たり曲を聴いたりして、時間を探してはIZ*ONEについて「勉強」しました。というもの、そのグループの成り立ちが特異だったからです。韓国で有名なオーディション番組と日本のAKBグループが共同で行うプロジェクトを発端としており、「国民プロデューサー」と呼ばれる一般国民が一人一票を原則に毎週、人気投票をすることでサバイバルが繰り広げられます。そこで長期の間勝ち残った練習生がデビューの権利を勝ち取ります。僕は、それのすべての動画は長すぎてみませんでしたが、ダイジェストで大きな流れを追いました。他に、彼女たちが出演したテレビ番組や運営するメディアを見たりもしました。

 

こうして少しばかり勉強してから、僕はコンサートに臨みました。そうすることで分かったことがありました。アイドルなどのオタクは、アイドルのメンバーやグループの持つストーリーに共鳴しているからこそ、深く楽しんでいるということです。もちろんアイドルの顔や歌に惹かれて楽しむ人も一定数いると思いますが、それよりも、彼らが愛して止まないのはそのアイドルの歴史なのだと感じました。つまりは、その歌・歌手が好きなのではなくて、その歌手がどんな過去を過ごし、どんな想いで歌っているのか、そしてどんな未来を描いて活動しているのかを想像できるからこそ、オタクはオタクたるのではないでしょうか。

 

このように感じたのは、コンサート経験がほとんどないながらも、今回のコンサートで他のアイドルを視聴する時とは違った楽しみ方ができたからです。これまで歌手やアイドルグループを消費する時は、彼らの曲を聴くことに大きな比重をかけていました。だから、個人的に好みの曲やみんなが聞いている曲に偏った消費の仕方になっていた気がします。今回、グループの成り立ちを理解するなどして、少しでもメンバーの感情に想いを馳せることができた経験は、僕の音楽の消費行動に少なからず影響を与えるのではないかと思います。なぜなら、知らない曲でもその場にいて彼女たちが歌っているのを見るだけで不思議と飽きなかったから。そして、この経験は、なんとなく嫌悪感を抱いていたオタクの人たちへの理解を深めるきっかけになりました。なぜか心が軽くなった気がします。

 

そして、このストーリーに共感するという事象は、日常の消費のなかにも取り入れられていきそうです。つまりは、市場の商品は技術面などでの差別化が厳しくなり、またそちらへの価値を見出さず、その商品が持つ独自の世界観を消費する市場に移行するということです。例えば、同じ価格・大きさの2種類の玉ねぎがスーパーマーケットにあるとします。しかし片方には生産者の顔が表示され、その努力や商品に対する想いが書かれたポップがあります。あなたはどちらの商品を買うでしょうか。もし彼に共感できるとしたら、僕なら、確実に彼の玉ねぎを買います。こんな些細なことの延長線上に今回のアイドルの一件があったと思います。

 

だからこそ、僕はストーリーを持った人間でいたい。人間くさく、応援したくなるような、人を引き付ける人物になることが僕の目標です。

 

最後まで僕のつたない文章を読んでくれて、ありがとうございました。

 

end.