「グローバル」とは??

「グローバル」という英単語から「グローバル化」や「グローバル人材」が派生し、日本で普通に使われてから久しい。今回は、「グローバル」と「インターナショナル」の違いについて、友人がFacebookで上手く意見をまとめていたので、それを紹介しつつ、自分の意見を交えられたらと思う。

 

「グローバル」とは、「世界全体にわたるさま。地球規模の。」と辞書で紹介されている。つまり、「地球全体をひとつにする」という意味を包含しているように感じられる。「グローバル人材」だとかいうと、「英語が達者など国際的な経験を持ち、国際的に活躍できる素養を持つ人物」とふんわりとイメージするが、そんな狭義のものではないはずである。友人は、「グローバル」とは、「違いが生まれるところすべてを包括する状態」ではないかと考えているそうだ。性別、宗教、価値観、風俗、習慣、文化、、などのあらゆるファクター内での境界線を無くして、みんながひとまとめに共存する状態がグローバルの行き着くところではないのだろうか。

 

一方、「インターナショナル」は「国際間の。国際的。万国の。」と定義されており、その言葉には常に「国、ネイション」という概念が介在している。つまり、「"国家間の"交流が盛んな状態」というイメージ。友人は、ここに「グローバル」と「インターナショナル」のふたつが同じように思えて、全く違ったコンセプトを有していると論じていた。前者は初めから世界全体、地球を想像しており、後者は国という単位で交流する様を想像している。もう少しかみ砕いた表現をすると、前者は違いをなくす動き、後者は違いを認める動きと解釈できる、そのように私は考えた。

 

この文脈で考えると、企業の紹介で目立つ「ダイバーシティインクルージョン」という概念は、「グローバル」と似た方向性であると感じた。

 

ダイバーシティ(diversity)とは、国籍、性別、年齢、宗教、ライフスタイルなどに固執することなく多種多様な人材を積極的に採用したり、留職や兼業、パラレルキャリアといった数多くの知見や経験が得られる施策を推進してイントラパーソナル・ダイバーシティ(個人内多様性)を高める取り組みのこと。

インクルージョン(inclusion)とは、従業員一人ひとりの違いを価値あるものとして高く評価し、組織全体で包み込むように迎え入れ、個々の能力やスキル、経験、強みを最大限に活かすことのできる環境を提供すること。

 

それぞれ、個人間の違いを会社として同等に認めることを根底としており、そこには境界線は存在していない。様々な特徴を持った個人が尊重され、同じ機会が与えられて活躍できる環境を整えることを目的にしている。ここでいう「同等に認める」や「同じ機会」という点に、「グローバル」という単語に包含された「同一性」が重なると思う。

 

ここまで書いて少し頭が混乱してきたが、「グローバル」と「インターナショナル」という、一見似たふたつの英単語が持つ大きな違いについて、友人の考えと私の意見をまとめた。

 

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